蒼い碧い島暮らしのオトコ


 

良いガイドの条件とは何だろうか?

人其々様々な意見があるのは承知しているが、私にとって完璧なガイドはこの人である。

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人生に絶望しているワケでは無い… 念のため。

エコマリン東京~西伊豆コースタルカヤックスと渡り歩き、現在では奄美大島の節田にて独立しているゴンちゃんことH氏。
その穏やかな風防とは裏腹に、台風の石垣島を漕いで九死に一生を得る等の経験を持つ凄味のあるパドラーである。

 

挙動には隙が無い。
また、野営スタイルにも無駄が無い。
こんな風に贅肉を削ぎ落とすためには、さぞかし膨大な時間が費やされたことだろう。
経験は彼の血肉となって、膨大な引き出しを構築しているのだろう。
しかしながら、彼は自ら何も語ろうとはしないのである。

 

けれども、例外はある。
夜の帳が降りて、焚火の前で一緒に酒を飲んでいると、不意にポツリと話し出す。
海のこと、フネのこと、島のこと、自分のこと。
話題は様々なれど、興味は尽きない。
経験に裏打ちされたは言葉は私にとっての金科玉条であり、その価値はいつまでも色褪せないだろう。

 

 

夜、ルリカケスを独酌しながら、私はあの碧い蒼い海をまた一緒に漕ぎたいと心から思っている。

 


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