疾風怒涛の如き釣り強化月間となった本年5月。
末日は鬼怒川上流部にソロで。
入渓してすぐに小さな山女魚が釣れる。
メインの流れではなく、イヤらしいポイントから出てくるのはお約束。
ベストシーズンといえども、そんなに簡単には出てくれないのだ。
岩裏の最奥とか、肩の水が落ちる寸前とかホントに楽しい場所でしか出ないなんて、皆さんの教育が行き届いていると感じる。
この時期はPパラとかEHKを多用するが、今日はガーベージコレクションと名付けた新作毛鉤に終始する。
本当はなんて事はないCDCカディスなのだが、春先からCDCパターンを巻くことが多かったので、余りモノの寄せ集め(ゴミ)フライだ。
以前はCDCパターンについて、一回釣れると交換せざるを得ないと諦めていたが、今では何ステップかの工程によりほぼ完全に復活する。
キチンと流しきることが出来れば、CDCパターンはやっぱり反応が良いように感じる。
Gコレクションで釣れた32センチの岩魚。
肩の落ち際ギリギリで毛鉤に喰いついてきた。
釣りを終えて舗装路を歩いていると、ドライブインの前でKトラに乗ったオジサンと目が合った。
「釣れたかい?」
「何とか10匹くらい釣れましたよ」
「それは大したもんだ、みんな釣れないって言ってるよ。」
「ここは難しい区間ですからね」
「大きいのは釣れたの?」
「尺位のがひとつだけ」
「そりゃ凄い!お兄さん名人だね!!」
お兄さんと呼ばれる年齢はとうに過ぎているのだが、オジサンからすれば若人の範疇なのだろうか?
ふと、あることを思い出したので尋ねてみた。
「おじさん、昔ここに子ザルいませんでしたか?」
「あれ、サルのこと知ってるの?随分前だけどいたよ」
「表のベンチにチョコンと座っていましたよね」
「そうそう、ヤシオのやっさんって呼ばれて、皆から可愛がられていたんだよ…」
お店を始めたのが、東日本大震災の年だったそうなので、もう10年以上前のことになる。
この先いつまで続けられるか分からないけど、気に入った土地だから長く続けたいんだそうだ。
10年経っても相変わらずワニ眼で魚釣りに奔走する自分は、いったいこの先いつまで釣りを続けることが出来るのだろうか?
年年歳歳花相似たり…とか?