朝から降っていた雪が雨に変わる頃、到着してみればこの外気温。
幸い風はそれほど吹いていないのだが、捕食活動を見ることは出来るだろうか?
ポイントに到着してはみたものの、穏やかな水面に波紋は見られない。
以前、嵐のような雪の日に良い釣りをしたことがあったのだが、あれは何かの間違いだったのだろうか?
川を眺めていると、いつもの様に風景が流れていくかのような錯覚にとらわれるのであった。
11時を過ぎて少し虫の流下が始まった。
程なくして水面に波紋が広がる。
先日の様に、ポツーンと穏やかなライズである。
今朝方巻いた極小の毛鉤を投げ込むのだが、背後にスペースが無いため中々難しい。
何度も猫柳の枝に糸が絡む。
イライラしつつも、そこはクールに対応しなくてはならない。
それでも風が吹くと、途端に狙った場所に届かなくなるのである。
少し上流側で起こったライズに願いを込めて投射すると、不意に穏やかだった水面が割れて魚が私の毛鉤を捕食した。
次の瞬間、願望は絶望に変化してしまう。
頼みのそれは虚空を彷徨ったまま、何処かに行ってしまったのだろうか?