焼 肉 内湾は奄美大島北西岸の西端付近にある湾で、三方を山に囲まれた湾岸は険しい崖となっている。
湾奥には湯湾港があり、真珠やクルマエビの養殖が盛んである…とのこと。
ガイドの提案により、大島海峡を渡ることは早々に断念。
ヤドリ浜から南部の中心地古仁屋を経由して阿鉄方面へ。
いろんな意味で加計呂麻は遠いのである…
ところが、ここなら南西からの風は遮られているだろうと云う目論みも空しく、水面はささくれ立っていた。
ここでの選択肢は二つ。
一つは住用村方面まで戻り、マングローブ内を漕ぐコース。
これならば比較的風の影響を受けることもないので、フネを出すことは可能だろうとのこと。
もう一つは西部の宇検村方面に抜けて、焼内湾を漕ぐコース。
風とうねりの影響はゼロではないので、海況によってはフネは出せないかもしれないとのこと。
当然迷うことなく、宇検村に向かうコースを選択する。
Kayak誌43号で野川編集長が「焼肉湾に見えて仕方がない…」と云っていたのだが(これはゴンちゃんの記事)、実際に自分で訪れることになるとは思いもよらなかった。
くねくねと続く山道を過ぎると、不意に周囲が明るく開けてくる。
明るい方向には海が横たわっており、宇検村の中(地区?)を通過して西へ。
西古見と並んで、屋鈍も奄美最西部の最もディープな場所であろう。
また一つ行ってみたい場所が増えてしまったのである…
ガイドのゴンチャンは恐縮して、「このあたりなら三浦の方が面白いでしょ…?」と云っていたけど、三浦は三浦であって奄美ではない。
このチャンスを逃したら、多分二度と焼内湾を漕ぐ機会はないだろう。
自分にとって大切なのは、何処を漕いだのかということなのである…
時折強く吹く風に翻弄されながら、ヨロヨロと湾内を進む。
弟子のストーは、海が初体験ということもあって笑顔が引き攣っている。
後で本人の語るところでは、「ここで転覆したらどうなるのだろう…」ということを絶えず考えていたらしい。
それでもガイドの適切なエスコートにより、無事休憩地点に上陸。
ゴンちゃんの作る飯はとても美味い。
前回の笠利湾では、すべてのメニューに満足することができた。
が、美味いが故に沢山食べたくなってしまうのである。
そこで今回は事前に大盛りのリクエストをお願いしておいた…のだが。
ゴンちゃんのメニューで非常に重要なことは、生野菜がふんだんに使われているということ。
野外生活経験者であれば分かると思うのだが、傷みやすい生野菜を持ち歩くのはとても面倒である。
旅の食事はラーメンやフリーズドライが中心、或いはカロリーメイトだけという強者もいると聞き及んでるが、自分もツーリング中の生野菜の摂取は半ば諦めているひとり。
故に、こんな風に手間のかかる料理が3食食べられるということが、どれほど贅沢な事なのかということをしみじみ感じ入るのである…
そして塩分補給に…と作ってくれたレタスのスープもまた絶品。
先ほど鶏肉を煮込んだスープを捨てずに、上品な味の逸品に仕上げられてしまうと、黙ってお代わりをお願いするのみである。
どうやらストーは相当ニヤックが気に入ってしまったらしく、自艇のKライトを売ってニヤック貯金をすると宣言。
とは言え、かなり高額なフネである。
会社名義で購入すればイイのではないかと思ったりもするが、自分の遊びは自分の金で…と、今時珍しい矜持の持ち主なのかも知れない(そんなワケはないが…)。
名瀑アランガチの滝に願いを込めつつ…
2015-06-27 14:15 奄美大島(焼肉湾)
トラック数 2
ポイント数 381
平面距離 4.3km
沿面距離 4.4km
記録時間 01:12:41
最高高度 3m
最低高度 -15m
累計高度(+) 108m
累計高度(-) 85m
平均速度 3.6km/h
最高速度 8.0km/h
お疲れ様でした。