奄美以来、久しぶりの海へ。
早朝の湘南新宿ライナーで逗子駅まで。
逗子海岸から和田長浜までをノンビリ漕ぐ予定で、駅から海までカートを引いて約1kmの道のりを歩く。
早速フネの組立を始める。
スターン側のフレームが何かに引っかかって巧く入らないので、何度か入れ直しをしてようやく完成。
毎度のことながら、出艇までに2時間近くかかるのは何とかしたいところ。
特にカサラノは組立に手間がかかるので、いつもタイムを計測しているのだが常に1時間以上費やしてしまう。
しかしながら、回数を重ねるごとに一寸したコツも少しづつ判ってきたこともあって、今回は50分台の好タイムで組み上がった。
やはり一番厄介なのは、キールを船体布のセンターに保つことで、フネが長いだけに毎回苦労する。
何か良い方法でもあれば、だれか教えてくれないだろうか?
最後にラダーを取り付ける際に、ケーブルに異常を発見。
本来足元のピヴォットペダルから船尾のラダーまでは、ワイヤーケーブルで接続されており、これによって操作が可能になっている。
ワイヤーケーブルは黒いチューブに保護されていて、フレーム等に直接干渉することなくチューブ内を移動する仕組みである。
が、このチューブが外に出てこないのだ…
一旦完成したカサラノを、再度組直す気力はもう残っていない。
チューブは出てこないが、ケーブルは何とか引き出すことに成功。
午後からは風が上がって切る予報なので、このままラダーを取り付けて漕ぎ出した。
しかし、これがイケなかったのである…
どうにもフネが左へ左へと進もうとするので、ラダーで強制的に進路を修正しようと試みるも、肝心のラダーが全く動かない。
タダでさえ乗りこなせていないフネは、さらに制御が難しくなってしまった。
こうなるともう駄目である。
気持ちには全く余裕が無く、安全に対する配慮もおざなりになってしまうであろう。
早々に撤収すべきだと思った…
葉山マリーナのすぐ南側に位置する砂浜に上陸。
朝から何も食べていなかったので、フネを乾かしている間に食事とする。
まだ冷たいままのヱビスビールが旨い。
乾いたフネをバラし始めてすぐに気が付いた。
スターン側のフレームを船体布から抜こうとすると、先端部分に黒いチューブが引っかかっていたのである。
このためケーブルが伸び切った状態になり、ラダーが効かなかったと推測される。
また、微妙に船体がカーブしてしまったことにより、真直ぐ進まなかったのではないか?
全ては憶測に過ぎないけれども、旅の究極の目的が無事に戻ることであるとするならば、今回の判断は適切だった。
間違っていたのは、フネを正確に組立られなかったことであり、焦って先を急いだことがそもそもの原因なのである。
帰りの電車の中で反芻して考えた。
海は無垢なるヨロコビ満ちている。
反面、原始的な凶暴さを垣間見せる。
そこを旅する者には、豊富な知識と経験が必要なのである。
死んでは意味がない。
それでも、自分とって単独で海を漕ぐという行為は、例えそれがたった1時間であったとしても、毎回がドラマチックなのである。
2014-11-23 11:16 三浦半島(逗子海岸)
トラック数 3
ポイント数 263
平面距離 3.0km
沿面距離 3.0km
記録時間 00:55:45
最高高度 15m
最低高度 -6m
累計高度(+) 52m
累計高度(-) 89m
平均速度 3.2km/h
最高速度 7.8km/h
お疲れ様でした。
1 comment for “悠々として…?”